TVCMの話
もう、22年間もTVCMを作って流して来た。
そう考えると弊社も膨大な広告宣伝費を投下してきたものだなあ…。
毎年、いろんな事務所さんからタレントさんの提案を受けるのです。
その中で企画担当役員や企画部長のプレゼンテーション資料に目を通しながら、幹部がヒアリングをするのです。
そして、いろんな意見が飛び交います。
でも、最終的なジャッジは代表取締役である自分自身が決めます。
まあ、当たり前といえば当たり前の話ですが….。
何十、何百という資料の数字を眺めて、何百枚ものデザインを起こし、何十個もの試作品が作られ、何回もの会議やミーティングが繰り返されて、数個の商品が誕生します。
選択と集中です。
そして、その商品に沿ってイメージ展開の会議が始まるのです。
年間たった数個の商品のために、驚くべき時間と労力を費やすのです。
モチロン、出合頭でたまたま売れることもありますが、柳の下にドジョウは二匹はいません。
膨大なマーケティングの数値と調査と今後の動向を睨んだ上で、企業は年間たった数個の商品に社運をかけます。
そして、最後は自分で決断を下して行きます。
結局は、社長の仕事とは決断を下すことです。
この、だだ広い社長室で、ホントに孤独に決断してきました。
僅かにハンドリングを誤るだけで、会社ってとんでもない危機に陥ります。
そして、いつも最後がテレビCMの決断です。
毎年、誰を起用しようか?どんなイメージで行くか?
タレントさんや事務所さんとの兼ね合いもあるので、我々が描くイメージとタレントさん側のイメージが合わずに破談に終わるケースも多々あります。
まあ、時代も大きく変化して、広告もテレビが絶対とも言い難い時代に突入して来たのも事実ですが、今はやはり、まだ一番影響力が高いのも事実です。
今年もまた、新しいCMがオンエアされます。
しかし、自分の頭は既に2017年を向いています。
カッコつけるわけでは無いですが、孤独にまた、一つの大きな決断を迫られています。
最初の成長は、毎年、柱につけた背のキズを見て知る。
いつしか、自分と他人との比較で一喜一憂するようになる。そしてオレは、昔の自分と比べて衰退していることを感じ寂しさを覚えた。
過去への羨望は、現在の悲観に通ずる。年齢とともに人間が成長していれば、そんなはずはないはずなんですがね…。
過信と自信は違う。 偉くなったからと、歩くのをやめたらダメ。自分で掃除ができない奴は自分がゴミ。目の前のモノが取れなくなったら、その手は不必要。
偉くなるということは、高いところから全体を見渡し、全責任を自分で負う覚悟のできること。
では、また♪